車の運動性能の話
今回は、軽量化による車の運動性能についてお話します。 車の燃料が少なくなると、車が軽くなった感じ(当たり前ですが)で、ブレーキやコーナリングが軽く、機敏に反応する事を経験した方は多いと思います。
これは、車重が軽くなったために車の慣性質量が減少し、そのために車の運動性能が向上したためと考えることが出来ます。 そのことを少し詳しく考えてみます。
全て移動する物体は、その方向に真っすぐ進もうとする慣性の法則に支配されています。
このことは中学校や高校の物理などで詳しく習ったことと思います。
この慣性の法則は車の移動中でも当てはまります。 それでも車は向きをかえることができますね。
なぜでしょうか。 それは、真っ直ぐ進もうとする慣性力を舵を切った前輪が路面との間の摩擦力でその力に反発し、さらに舵を切った方向に前輪が転がるため、車は方向を変えているのです。
このとき、慣性力はタイヤとの反発力で弱められるため、スピードは減少します。
また、タイヤと路面の摩擦力が弱い場合、車は思ったように曲がってくれず、アンダーステアの傾向を示します。 特に雪道などの極端に摩擦力が少ない状況では、ステアリングを切ったにもかかわらず、車は真っ直ぐ進んでしまう等の状況を、皆さん経験されたことがおありではないでしょうか。
このように慣性力は車の挙動に大きく関わっております。
ここで、車のチューニングを考えた場合、まず考えられるのがタイヤのチューニングです。
高性能タイヤを履くことにより、タイヤと路面の摩擦係数(μ:ミュー)を上げ、車の慣性力に負けないだけの摩擦力を路面との間に発生させる、これはチューニングの第一歩です。
このチューニングにより、高速コーナリングでもアンダーステアの傾向は弱まり、ハンドリング性能は向上します。
しかし、この場合、車の慣性質量はタイヤ重量の増加などにより、かえって増加していることが考えられます。せっかく高性能タイヤで路面との摩擦係数を上げたのにたいへんもったいない話です。
そこで、車全体の重量を減らすことを考えます。 ラリーカー等を覗いたことがおありですか?中部は全ての内張や飾りは取り払われ、後部座席も無くなっており、見るも無惨(?)な状況です。
これはすべて慣性重量を減らすために行っていることなのです。
ラリーカーのようにその車の極限状態で走る車では、1gでも慣性重量が少ないほど有利になります。
つまり、車の限界点を僅かでも上げるためにそのようなことをしているのです。
一般の車ではそこまでやりますとデートに使えなくなりますので、車が恋人以外の人はやらないほうがいいでしょう。
まして、座席を取り払いますと車検証の乗車定員に変更が生じますので、整備不良車両になります。
ここまでの話で、車の重量は運動性能の面では軽い方が有利である、ということがお解りになったと思います。
次にコーナリング中を考えてみます。 コーナリング中は前輪は先ほど述べたように舵が切られており、後輪は追従する形で車の動きに合わせて回転しています。
このとき、車は円運動をしていますので、車の重心を起点にして外側に向かって遠心力が発生しています。この遠心力は、前輪、後輪と路面との摩擦力で発生した反発力でうち消されており、それが均衡しているかぎりは何事もなくコーナリングしていきます。
コーナリングスピードが上がってきますと、遠心力も比例して増加し、さらにコーナリングスピードを上げていきますと前輪、後輪と路面との摩擦力以上になってしまいます。
この状態ではタイヤは滑り出し、状況によってはスピン状態になります。
このときの遠心力に注目しますと、車の慣性質量が大きければ遠心力も大きくなります。 つまり、コーナリングスピードが同じであれば、車重の軽い車の方が遠心力は小さくなります。
言い換えますと、同じタイヤを履いている車では、車重の軽い車の方が限界のコーナリングスピードが早くなることがご理解いただけると思います。
以上の説明は、慣性力を説明するのに一定の条件の基での説明でした。
実際の車の挙動はさらに複雑になります。 先ほどの説明の中に、遠心力がタイヤと路面の摩擦力を上回ると滑り出すと言うとを述べました。
実際にラリーの走行を見てみますと、コーナーではみんなドリフトして走っています。
つまり、意図的にタイヤの限界を超した走り方をしています。 ラリー走行の場合、路面状況(路面の摩擦力)がいつ変わるか解りません。
そのため、タイヤが滑り出す前にアクセルワークとハンドリングワークでドリフト状態(タイヤ横滑り状態)にし、路面の影響を最小限になるようにしているのです。
このとき、車は大きくテールを振っています。アクセルワークとハンドリングワークでコントロールしている訳ですが、ここで車の重量が影響してきます。
物理法則は常に一定です。遠心力は重い車ほど大きくなります。
つまり、コントールすべき遠心力は重い車ほど大きいため、それをうち消すための操作も大きく必要になります。 さらに、重要な要素があります。
1mほどの棒と粘土を用意してください。(無い人は想像しましょう) 粘土を棒の両端に付けます。そして棒の中心をを持ってチアガールのように棒を振ります。このときの感覚を覚えておいてください。
次に今度は両端の粘土を中心にまとめて付けて棒を振ってみます。
どうですか?どちらが棒を振るのに力が必要でしたか? ここで重要なのは、棒と粘土を合わせた重量はどちらの場合も同じだと言うことです。
また、重心も同じです。 でも、棒を振るための力は全然違います。
粘土が両端にある場合のほうが力が必要です。
これと同じ事が車にも言えます。 車の場合は重量配分といって、どこにどのくらいの重量のものがマウントされているかを細かく設計します。
理想的にはなるべく車の中心に重量物がくるように設計します。
ミッドシップ車などはその典型的な例でしょう。車の中で最も重いパーツであるエンジンを車の中心にマウントする。
運動性能を考えた場合、究極のレイアウトといえます。 最近の例では天才タマゴと宣伝していた車もありました。(残念ながらモデルチェンジで鈍才?になってしまった・・・残念)
つまり、車の運動性能を考えた場合、重いパーツは出来るだけ中心部にマウントされていた方が良い、ということになります。
先ほどのラリー走行の例では、おしりを振りながら走っていますので、車のおしりには重いものをレイアウトしない方が運動性能は上がる、つまりコントロールしやすくなるのです。
次にパワーウエイトレシオという言葉をよく耳にすると思いますが、これは車重とパワーの相関関係を表現する数値です。
仮に、重量が重い車にハイパワーエンジンが搭載されている車両と、重量が軽い車に一般的なパワーのエンジンが搭載されている車両があった場合、パワーウエイトレシオが同じであれば、発進/加速時の運動性能はほぼ同じになります。
これは、0〜400m加速時のタイムはだいたい同じくらいだということです。
つまり、いくらハイパワーのエンジンでも、車重が重くては機敏な動きとはほど遠くなります。このことは先ほどの説明でもお解りかと思います。
以上のことから、車の重量がいかに運動性能に影響を与えているかが理解できたかと思います。
マフラーチューンはそれ自体で充分機能を発揮します。
そして、その製品重量がより軽量であればさらに高い運動性能を導いて、何よりも危険回避などの安全性が向上します。
ガナドールでは、パワー/トルク/サウンド/デザイン等の全ての研究において安全性確保を基本テーマとしています。
その考えからガナドールのチタニウムマフラーは生産されています。 さらに、チタニウムの持つ高い剛性を利用して、性能をとことん追求し、軽量化を成し遂げました。
ガナドールでは力強いスタート感覚、胸のすくような広いトルクバンド、とどまるところのないようなパワーバンド、さらに切れの良いサウンド、手の込んだ構成デザイン等、すべての検査に合格した証にテールエンドの両サイドにガナドールマークを刻印してお届けしてます。